30代のママがオーストラリアでMBA留学をするブログ

オーストラリアのメルボルン大学でのMBAを体験について書いてきました。子供2人を持つママが移住生活頑張ってます。

医療面で感じる違い

日本とオーストラリアの医療はどちらもいい所と悪い所があるのでどちらが良いかは言えません。
ただ、今日は前日私が怪我をした時にオーストラリアの医療面での対応や配慮についてかなり違いを感じたので書きたいと思います。

怪我の内容

単純ですが、お風呂場で盛大にコケました。
下記の図の様に湯船から出ようとしたら足拭きマットがズレて、まず恥骨を強打しました。
そのまま後ろに倒れ、反対側の湯船の縁を掴もうとしたら濡れてて、両手が滑って顔面で着地しました。

お風呂場は血の海で、夜9時だったので家族に緊急病棟に連れてってもらいました。

そこでの出来事です。

Emergency Department

日本の様にオーストラリアでも救急は何時間も待ちます。これを知っていたので家族は私を送り届けた後は帰ってもらいました。
最終的には午前3時に1人で帰りました…

まずトリアージの看護師に話をした後、私は流血が止まらず、比較的重症なのでベッドで横になる様に言われました。
そこで何時間も待っていたらやっと若い男性医者が来ました。

顔面の怪我は出血は多いものの、ラッキーな事に縫う必要はありませんでした。その場で処置してもらい顔面の治療は終わりました。

そして今度は恥骨の怪我。
実はこっちの方がずっと激痛でした。

医師とのやり取り

医者👨‍⚕️「では下半身の診察をします」
私 (自分でズボンと下着を下ろそうとする)
医者「あ、まだchaperoneが来てないのでまだ見せないで下さい」
私「???」
男性看護師到着
医者「では彼と一緒に確認しますがよろしいですか?」
私「?? あ、はい…」

男性看護師は別に手伝う訳でもなく、ただ後ろで立ってるだけの中、私は自分で服を脱いだ後、医者が私の内出血で腫れ上がってる恥骨を確認します。
かなり強く打ったのでレントゲンを撮る事に。

レントゲン室では放射線技師の女性が待っていました。
技師「今chaperoneになる人がおらず、私しかいないので、私が退室したらズボンと下着を脱いでタオルで隠したら呼んで下さい」
私(さっきからChaperoneって何???)

こちらもラッキーなことに骨折もヒビもありませんでした。
そして治療が終わり、やっと帰宅する事に。

最後に治療のサマリーを渡されましたが、私が下半身を露出した時の事が細かく書かれており、「Chaperoneの◯◯看護師に同席してもらい、患者の同意を得た上で、患者が服を自身で脱ぎ、◯◯医者が下半身を診察した」と記載されてました。

そこでやっと何故あの様なやり取りがあったのかわかりました。
オーストラリアでは異性だろうと同性だろうと、医療機関で患者へのセクハラで訴えられない様に裸を見せる時は必ず立会人(chaperone)が必要みたいです。
これは日本とは大きく違う文化だと感じました。

私が出産した時の産婦人科医は全員男性の高齢なお医者さんで、私も感覚が麻痺してなんの恥じらいもなく医師と妊婦の2人きりの状態でも下半身を見せて健診や出産をしました。
多分出産経験のあるお母さんはわかると思いますが、出産時なんて「局部を見せるのが恥ずかしい」なんて考える余裕はありません。
なんならお爺ちゃん医者に早く産ませろとキレるぐらいの勢いです。

こちらでは医師であっても裸を見せるのは今回のような妥当な理由がない限りしてはいけない事のようです。性暴力はこちらでは本当にシリアスな問題として扱われます。ましてや医師など職権濫用をしてのセクハラは最大級の問題です。

今回はその文化や価値観の違いに驚きました。
母となり、自分が女である事を忘れる時もありますが(笑)、今後は医者や看護師の前であっても自分の体は自分で守らないといけない事を実感しました。

そしてもう一つ驚いたことが…

家庭内暴力の疑い

翌日は救急ではなく、いつものクリニックの担当医の所で怪我を診てもらいました。
救急サマリーを読んだ担当医の第一声は、
「本当にお風呂でコケたんですか?」
「あなたは家で安心できますか?」
「身の危険を感じたら相談できる窓口はありますか?」
と明らかに旦那の家庭内暴力を疑われました。

私は驚きながらも本当にコケただけであることを説明しました。

驚いた事に、この質問をしてくるのは彼だけではありません。

息子の診察がちょうどあったので付き添ったら、今日は息子が患者なのに、息子の医師も私を見て、疑いの目で同じ質問をしてきました。

他にもご近所さんや見知らぬレジのおばちゃんにも怪我のことを聞かれます。
多分隠したい暴力に対して「風呂でコケた」があまりにもよく使われる言い訳なんでしょうね。

日頃から私の子供たちや弱者を守ろうとする価値観はオーストラリアは物凄く強いと感じました。その意識が強すぎて毎回説明するのがめんどくさいぐらいです。でもとても良いことだと思います。

おかげで可哀想なウチの旦那は色んな人に疑いの目を向けられてます(笑)

少しお節介過ぎるぐらいじゃないと社会の弱者は守れないのでしょうね。
こういった文化や価値観は是非日本でももっと持って欲しいです。

学んだこと

この大怪我でオーストラリアの弱者を徹底的に守る姿勢を感じて感心しました。

そしてお風呂は滑り止めを大量に買って、もう絶対に誰もコケない仕様にしました。

皆さんは安い足拭きマットにはお気をつけてください。